Crack6のMSTR(千聖)が定期的に開催中のイベント「Crazy Monsters」、10月27日に(日)に新宿ReNYを舞台に催した「Crazy Monsters~HALLOWEEN PARTY 2019 IN TOKYO~」の模様をお伝えしよう。
「Crazy Monsters~HALLOWEEN PARTY 2019 IN TOKYO~」の楽しさの一つが、出演者たちが銘々に仮装してライブを行うこと。参加したのは、Crack6/THE MICRO HEAD 4N'S/Ricky/†яi¢к/Dacco/Leetspeak monsters/AMBEEK/雪見だいふくの中身になりたい人生だった/RAZZ MA TAZZ(GUEST)/you(GUEST Player)という面々。
司会を、雑誌Stuppyの編集長ぽっくんが担当。開演前には、MSTR(千聖)とぽっくんの期待を煽るトークも実施。フロアには仮装姿の人たちも大勢来場。天井には巨大ジャック・オー・ランタンが浮かべば、怪しい音楽が転換中に場内へ鳴り響く中、出演者それぞれに趣向を凝らした姿でライブを行った。
Dacco
出演するたびに観た人たちの度肝を抜く、奇抜で趣向を凝らした姿でHALLOWEEN LIVEを彩り続けてきたDacco。今年はクレイジーなレモンに扮し、最新ナンバー「Enjoy!」に乗せて登場。2人が舞台へ登場したとたんフロア中から笑いが漏れていたように、さすがつかみはバッチリだ。2人も、楽曲の歌詞通りまずは自分たちが楽しもうという姿勢でライブを繰り広げてゆく。まさにエンジョイ・パワーが大炸裂。初見の人たちもすぐに覚えられる振りも魅力にしているように、何時しかフロアのあちこちでDaccoの動きに合わせ、一緒にエンジョイしている人たちの姿が多く見受けられた。
「たった15分のステージ、めちゃくちゃにしてやるぜ」「なんだこのクレイジーなレモンは!!」と、やや受けのすっぱいMCも何時ものDaccoらしさ?!
続く「Fall in LOVE in the spring」では、エレクトロな歌系ダンスミュージックに乗せエクササイズ。簡単そうに見えて意外とカロリー消費量の高い振りなのもポイント。親しみあふれる歌に触れつつ、2人と一緒に振りを真似ていたら何時しかダイエット効果が…あったら最高なんだけど(本気でやるとマジにダイエット効果あります)。大サビでは、歌の掛け合いも登場。初見や経験者のレベルの差など関係なく、誰もがすぐに空気に溶け込め楽しめるのがDaccoのライブだ。
最後にDaccoは、一緒に激しくエクササイズしようと、攻撃的なエレクトロナンバーの上で雄々しく「エキセントリック」を歌いだした。何時しかフロア中の人たちがエクササイズ…ノリノリに振り真似しながら楽しんでいた。短時間で観客たちをエンジョイした空気の中へ巻き込むそのクレイジーなパワーこそ、Daccoの魅力だ。 http://dacco.life/
THE MICRO HEAD 4N'S
THE MICRO HEAD 4N'Sのライブは、幕が開くのに合わせ、激しく荒々しく「REINCARNATION」をブチ噛まし始まった。彼らは、会場中へ熱を巻き起こし、最初からクライマックスにも似た景色を作りだす。AMENOの煽りに触発され、フロアから突き上がる無数の拳。さぁさぁ、熱い宴の始まりだ。
天使と悪魔の世界を彩るキャラクターたちへ仮装したTHE MICRO HEAD 4N'Sのメンバーたちは、勢いへさらに熱情と熱狂を塗り重ねるように「REBIRTH」を演奏。沸きだす熱した感情のままに歌い叫ぶAMENO。彼の熱した気持ちをさらに掻き立てる演奏陣。熱情ほとばしる楽曲へ向け、無数の手が差し伸べられていた。フロア中から飛び交う雄々しき歌声たち。なんて熱を孕んだライブなんだ!!
火がついた勢いは止められない。もはや止まることを知らない。飛びだした「VOLCANATION」でも、THE MICRO HEAD 4N'Sは熱情みなぎる楽曲をAMENOのパッションの塊のような歌声を介しぶつけてゆく。フロア中から掲げた手が大きく揺れ続ける、演奏や叫びに合わせ拳が突き上がる。沸騰した気持ちのままイカせてくれ、そんな気分だ。
重厚な演奏が、熱狂する観客たちをさらに強烈な熱気で飲み込んでゆく。「MONSTER'S ROAR -WILD BOOSTSE-」を通し、THE MICRO HEAD 4N'Sは場内を埋めつくした観客たちの身体を大きく揺さぶり続けていた。雄々しく歌いあげるAMENOの歌声へ魂を揺さぶられた観客たちが、声を荒らげ続ける。互いにモンスターのような存在となり、共に熱狂を貪り食らっていた。
THE MICRO HEAD 4N'Sは最後に「FACT IS STARENGER THAN FAKE!!!!」を叩きつけた。最初から最後まで高い熱情を持ったステージングを通し、THE MICRO HEAD 4N'Sは終始拳や掌が上がる光景を描き続けていった。仮装姿に心や目線が惹かれるのも今宵の楽しさだが、そんなことさえ忘れ、ただただ熱狂に溺れたTHE MICRO HEAD 4N'Sのライブだった。 https://themicrohead4ns.jp/
RAZZ MA TAZZ
ゲストとして登場したRAZZ MA TAZZ。ライブは、歌心あふれたエモーショナルでハートフルな「ORION」からスタート。心を洗い流すような爽やかな歌が、触れた人たちの胸にもスーッと染み込んでゆく。真っ直ぐな想いが、阿久の歌声を通して胸を疼かせた。とはいえ、阿久自身かぶりものやヴィジュアル系のメイクをしていたように、そこへもつい目を向けてしまっていたが…。
続く「お守り」は、演奏が進むごとに胸に秘めた想いが輝きを増してゆくハートフルな楽曲。阿久自身が暖かな想いを抱いた人なのか、彼の歌声からこぼれ落ちてゆくのは汚れなき純粋な想いたち。どこか照れた仕種で、愛おしい人へ向けて歌う様に、その歌声に心はずっと惹かれていた。
哀愁を帯びたギターサウンドが胸をキュッと疼かせる。壊れそうな想いを秘めながら、揺れる気持ちのままに阿久は「regret」を歌いあげる。いろんな揺れる心模様を詰め込んだ歌で、触れた人たちの心へRAZZ MA TAZZはさまざまな心象風景を描き出す。この歌に、痛い恋の想いがよみがえり、心泣き濡れていた人たちもいたのでは。それくらい哀愁呼び起こす楽曲であり、演奏だった。
爽やかな歌の風が吹き抜けた。RAZZ MA TAZZが奏でる「season train」へ飛び乗り、今は心を旅気分に変え、一緒にまぶしい光を浴びながら旅に出ようか。胸をスカッと爽快な気分へ導く歌へ誘われ、何時しか会場中の人たちも左右に大きく手を振り、彼らと一緒に心は列車へ乗り込んでいた。
最後にRAZZ MA TAZZは、さらに熱気を上げるように「merry go round」を演奏。気持ちを熱く揺さぶる歌や演奏へ触発され心が弾みだす。阿久の振りまわす手の動きに合わせ、フロア中でも大勢の人たちが大きく手を振りまわし、想いのエールを送っていた。ジャンルやスタイルは関係ない。歌が心を動かせば、身体も、気持ちも自然とその歌声を求めたくなる。それをRAZZ MA TAZZが示してくれた。 https://twitter.com/razz_ma_tazz_jp
Crack6 +you(GUEST Player)
トリを飾ったのが、「Crazy Monsters」の主催者MSTR(千聖)率いるCrack6。冒頭からアクセルを全開に、「カナリア」からスタートダッシュをキメてきた。今年のMSTRの仮装はポリス。でも、ライブでは法定速度を守るどころか、軽くオーバーしながら気迫と勢い満載で演奏。そこが一人無法地帯なMSTRらしさ。フロアでも、攻めに徹したCrack6のアグレッシブな姿勢に触発され、会場中に無数の掌や拳が突き上がっていた。
凛々しく、スリリングな空気を作りながら、演奏は「Butterfly Effect」へ。心地良い緊張感を持った熱を感じるのも、MSTRが抑揚を抱いた強い歌声で想いを吐き出してゆくからだ。サディスティックな皇子と化したMSTRは、さりげなく優しさを交えつつも終始突き刺すような演奏で攻めてゆく。
温かさや優しさばかりが愛情ではない。ときにクールにアグレッシブに打ちつけることも愛情だと言うように、Crack6は「破壊不可能」を演奏。殴るように言葉をぶつけるMSTR。彼の気迫を轟音唸らせ後押しする演奏。フロア中に突き上がった拳は降りることはない。誰もが熱狂の中へどんどん心のアクセルをベタ踏みしながら突き進んでいた。観客たちは舞台上のポリスに取り締まって欲しかったかも知れないが、MSTRにはそんな気はまったくない。さすが、悪玉ポリスだ。
MSTRがチョーキングするギターがむせび泣く。ここでMSTRは、ゲストプレイヤーのyouを舞台へ招き入れた。youは、まさかのミニスカポリス姿。2人は「Re-Born」を介してギターの音色を掛け合いだす。それは、互いに心を裸に戯れるようにも響いていた。
囚人服姿のO-JIROのドラムが加わると同時に、楽曲は「Change the World」へギアをシフト。youの掻き鳴らすギターの音色へ後押しされるように、MSTRは心解き放つように歌いだす。とても胸をスカッとさせる、開放的でありながらもスケールあふれる楽曲だ。会場中の人たちも、スタジアムの中で一緒に熱狂してゆく気分を覚えながら、身体中を居抜き続ける熱く攻撃的な演奏と開放的な歌声に満面の笑顔で身を任せていた。
激しい熱を懐いたまま、演奏は「Crazy Poker Face」へ。フロア中から掛け合うように沸き上がる叫び声。激烈なリフビートを刻む演奏の上で、MSTRは観客たちを荒々しく挑発してゆく。上がり続ける熱。互いに感情と感情をぶつけあいながら、ライブは熱狂をまとい突き進んでいく。そして…。
「逮捕しちゃうぞ!!」のセリフもイカしているじゃないか。最後にCrack6は歌もの開放チューン「ZEROから始めよう」を届け、会場を埋めつくした人たちの心や身体を熱狂の彼方へ連れ出していった。終始観客たちを熱狂の虜にしながらCrack6のライブは終了。最高の熱気を携え、最後のセッションへバトンを手渡した。