NoGoDの団長と、綾野ましろ、崎山つばさなど数多くのアーティストのツアーにギタリストとして参加している広末慧。二人が手を組み誕生した団長×広末慧が、MV「ヨル」の公開に合わせ、本格的に始動。合わせて、「ヨル」のデジタル配信もスタートした。
団長と広末慧の出会いは、さかのぼること15年前。活動間もないNoGoDと広末慧のバンドは、何度も対バンを重ねていた。だが、当時は互いに挨拶を交わす程度の関係。その頃にやっていた広末慧のバンドは解散。そこから互いに接点を持つ機会が減れば、広末慧自身が活動のフィールドを変えたことから、直接出会う機会は失われていった。
二人が再会したのは、約3年前。広末慧が当時サポートしていたヴォーカリストとNoGoDが対バン。そこで久しぶりに顔を合わせたことが、団長×広末慧の誕生の引き金となった。その当時のことを、二人はこう語ってくれた。
広末慧 俺から団長に声をかけたのがきっかけなんですけど、そもそもの出会いは、すでに15年くらい前。当時、お互いのバンドで対バンする関係でいたのですが、あの頃は挨拶程度で深い付き合いがあったわけでもなければ、その後俺自身のユニットも活動休止。ここ数年は異なるジャンルの場で活動をしています。
俺はお客さんの立場で好きなNoGoDの活動を見て「団長っていいヴォーカリストだなぁ」とずっと思い続けてました。もっと言うなら、「一緒に活動したい」気持ちもありました。ただし、それは叶わない夢として心の中に閉まっていたこと。
だけどサポート活動の中でたまたま、一度NoGoDと共演する機会が生まれたんですね。そこで久しぶりに団長と再会して、NoGoDのライブを観ながら「俺なら、団長のヘヴィメタルシンガーではない面での良い部分をカッコよくプロデュースできるんじゃないか」「俺だったら、団長にこういう曲を歌ってもらいたい」と想像を巡らせて、その気持ちがどんどん膨らんでいきました。そこから、「団長、一度話がしたいんでご飯に行きましょう」とライブ後に声をかけたのが、きっかけでした。
団長 広末くんからの誘いは、俺にとっても嬉しい転機でしたね。もちろん、自分の表現したい音楽性はNoGoDを通して完結していること。その気持ちがあるから15年も活動を続けてきたし、これからも続けていくわけだけど。ただ、NoGoDでは出来ないというか、やることのない音楽性もある。その一つが、先日出した俺のソロアルバム「凡人歌集」のようなアコースティック・スタイルでした。
俺、たまに他の方の作品に誘われ、ヴォーカリストとして歌うこともあるんですけど、どの現場でも「自由に歌ってください」と言われ、いつものように歌うと「本人が大丈夫であれば、これでOKです」と言われるし、楽曲を聞いたときにも、NoGoDで歌っている自分と同じ匂いをそこに感じていたんですね。そんなときに広末くんから声をかけられ、「こういう曲を歌ってもらいたい」といろいろ聞かされたとき、最初に「これは絶対にNoGoDで表現することはない」と思いました。それこそ、同期がしっかり入った、いわゆるJ-POP寄りの音楽性が主(おも)。だからこそ、「自分の可能性を広げたい」想いが強くなり、「一度、歌入れしてみようか」と返事をしたことから、一緒の活動が始まりました。
驚くべきことに、二人の活動は約3年前から始まり、すでにフルアルバムを満たすくらい楽曲を録り終えていた。ただ、お互いに活動が忙しいことや、活動を発表したのは良いが、互いの本業が忙しいことで、団長×広末慧の活動がおざなりになってしまうことを避けたかったことから、発表のタイミングを見計らっていたところ、今になったという。
現在発表しているのが、団長×広末慧のオリジナル曲「ヨル」。そして、twitter上にメドレー曲として動画でアップしている「吉原ラメント」(和楽器バンド・亜沙の人気曲)と「ideal white」(綾野ましろによるアニメ「fate/staynight」のOP曲)の3曲。内2曲がカバー。しかも両方とも女性ヴォーカルナンバーというのも新鮮だ。この選曲と楽曲の魅力についての二人の言葉も記そうか。
広末慧 カバーした2曲とも、自分が近しいところで関わっている人たちの楽曲なんですけど、一番の理由が、俺がこの2曲を歌った団長の音源が欲しかったからなんです(笑)。オリジナル曲の「ヨル」は、団長をイメージして書き下ろした曲。俺、普段から恋愛映画とかドラマを見るのが好きなんですね。そこから、団長に「結婚もテーマに盛り込んだ、大人の女性の恋愛感情をドラマ仕立てで歌ってもらったら面白そうだなぁ」と思ったことが始まりでした。その曲をゆったりした曲調や切ないバラードにすると在り来りになるので、あえて団長が得意そうな疾走感のある曲に投影しています。
団長 女性目線の楽曲を歌うのも、すごく新鮮でしたね。どの曲も、NoGoDでは絶対にやらないこと(笑)。「吉原ラメント」で見せたような色っぽい歌い方は、NoGoDでは極力省いてきた部分。「ideal white」は力強い楽曲だから、そこは自分の得意な面を活かせたように、割とすんなり歌えましたね。どの曲も演奏で聴かせるのではなく、いかに歌声の魅力で楽曲を引っ張っていくかが勝負のように、洗練されたポップスを歌うのは自分の身にもなること。しかも、俺は女心がよくわかんないから、歌っててすごく勉強になる。ただ、俺の中では、広末くんが団長×広末慧の最初の曲として「ヨル」を持ってきたのは嬉しい意外性だった。むしろ、そこが広末くんのセンスというか、NoGoDの団長の姿から遠いところにある楽曲を持ってきたことで、NoGoDとは絶対にイメージが重ならない。まぁ、そこが良いところだし、だからこそ団長×広末慧の存在する意味がお互いにあるわけだからね。
まずはフルアルバムの発表のときまで、これからも団長×広末慧は、オンライン上で楽曲やMVを配信し続けてゆく。次のアクションも、そんな遠くない時期に示されそうだ。ぜひ、これからも団長×広末慧の動きを追いかけ続けていただきたい。
TEXT:長澤智典
「ヨル」MV
配信サイト一覧
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