ついにAiDERが、その姿を見せる日が訪れた。4月30日(土)、AiDERは渋谷duo MUSIC EXCHANGEを舞台にAiDER debut live「Thanatos」を主催。ゲスト出演した、Quubi/ クロスノエシス/ TENRIN/ RAY/ On the treat Super Season/ ミームトーキョーのライブを受け、イベントのトリとしてAiDERのライブが行われた。
荒々しいデタジタル音(SE)がフロア中に鳴り響く。気持ちを熱く騒がせる音だ。きらびやかに、でも重厚な音を携え躍動する楽曲に合わせ、メンバーがゆっくりと舞台へ姿を現した。
音は、いきなり気持ちを熱く騒がせた。躍動するダウナー/ラウド/ダンサブルなデジロックサウンドの上で、メンバーらが挑発するように言葉を投げかける。『BLACK DEVIL』、スリリングな気持ちに染めあげる楽曲だ。「落ちてゆく美しさを愛して」と、4人は挑発するように歌う。リズムが高鳴るのに合わせ、メンバーたちのテンションも次第に上がりだす。クラップ音響くビートに合わせ、フロア中の人たちもクラップする場面も登場。でも大勢の人たちが、どんな刺激的な挑発をしてゆくのか、まだまだ未知数なAiDERの姿へ期待の視線を向けながら見つめていた。
激しく情熱的な、でも、破壊力を満載した音の上で、メンバーたちが挑むように『Conflict』を歌いだす。高ぶる感情をアクションやパフォーマンスに重ね、ステージ上でメンバーらが入り交じるように動きだす。爆裂したデジロックサウンドに乗せ、ときにヘドバンする仕種も見せるなど、彼女たちは心の奥から沸き立つ熱情を雄々しい姿に変え、ぶつけていた。デビューライブということでの歌唱表現やパフォーマンス面に於ける若干の不安定さなども覗かせてたとはいえ、それさえも凌駕する勢いを彼女たちは見せていた。
「君と見た事のない場所へ」の歌声を合図に、楽曲が一気に激しく駆けだした。激情/高揚した感情を導き出す『Symbiosis』も、転調激しくドラマチックな表情を描く攻撃的な楽曲だ。でもメンバーたちは、歌声に熱を込めながらも、あえて感情を剥きだすのではなく、見ている人たちの心を揺らすように刺激を与えていた。『Symbiosis』は、ライブという一人一人と繋がりあう空間を大切にしているメンバーたちの心の声を歌にしている。歌詞と気持ちが強く重なるたびに、見ている人たちと心を繋げようと身体を前のめりに歌う4人の姿がそこにはあった。彼女たちは「誰も見た事のない場所へ」みんなを連れだそうとしていた。それがどんな場所なのか、早く知りたい。
続く『Scene』で4人は、激烈な楽曲に乗せ、艶めいた哀切な歌声を響かせていた。終始攻撃的な黒い楽曲の上で、彼女たちは揺れ動く感情を熱情した歌声に乗せ、その都度、観客たちのハートへ塗りたくるように歌っていた。まだまだ強烈な色を発しきれているわけではない。でも、未完成なままに衝動をぶつける姿が、むしろ初々しくも新鮮さを持って胸へ飛びこんできた。次第に激情してゆくドラマチックな楽曲に合わせ、自らの感情にも赤い情熱の色を塗りたくってゆく姿がとても印象的だ。
「冷たい街の中 片隅で震えている 伸びた影先」と、今にも壊れそうな声で歌を紡ぐメンバーたち。その声に、激情したドラマを描き加えるサウンドも印象深い。AiDERは最後に抑揚した感情の揺れを表情豊かに描き出す『Cold City』を歌っていた。歪みを上げる音の衝撃は、彼女たちの壊れそうな感情を具現化したものか。4人は、ここから新たな未来を作りあげようと声を上げていた。この声が、これからどんな風にこの場所から広がってゆくのか…。それを宣誓するのが、この日のライブだった。『Cold City』はサブスク配信もスタート。AiDERの音に触れたい人たちは、さっそく耳にしてくれ。
ノンストップで、一切のMCも挟むことなく、AiDERは5曲連続で、荒ぶり渦巻く音世界の中、生々しい感情を、4つの歌声の絵筆を用いて塗りたくっていった。まだまだ声がフラットしたり、微妙なずれを見せるハーモニーやパフォーマンスなど、成長してゆくうえでの課題はあるたろう。それ以上に、痛心地よい衝撃にずっと身を委ねていたかった。
最後に、メンバーの言葉を紹介しよう。
「わたしはこうやってステージに立つのが2回目になります。この3人と今日ステージに立って、たくさんの人たちに見られてデビューできたことが本当に嬉しいです」(えむ)
「わたしは小っちゃい頃からアイドルになりたくて、でも、自分には向いてないかなぁと思っていたんですけど…。これまでアイドル未経験でしたが、この3人と一緒に今日から頑張ります」(無花果)
「わたし、アイドルをやるのは2回目なんですけど。 ずっとずっとアイドルとして復活したくて。でも、何でもいいわけじゃなくて、好きな音楽をやりたくて。そのときにAiDERや、こんな素敵なメンバーと出会えて、すごい幸せです。みなさんに今日、たくさん幸せをもらいました。また次のライブ、その次のライブとたくさんあるから、今度は、わたしがみなさんに恩返しが出来るように頑張りますので、よろしくお願いします」(葵)
「AiDERは、自分がプロデューサーとして作ったグループなんですけど。我こそはとメンバーが手をあげてついてきてくれる人たちばかり。これからはメンバーと一緒にお客さんや、新しくファンになってくれる方とか、一緒にAiDERというグループとして頑張っていければなと思っています。応援よろしくお願いします」(シル)
PHOTO:あだほだ
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
「エクストロメ!大阪」
5月3日(火/祝) 心斎橋サンホール
「LiT FES」
5月4日(水/祝)DIVA
「あつまれ!!ワンパクキッズFES!」
5月5日(木/祝)SOUND MUSEUM VISION
「Light up」
5月7日(土)Shibuya Milkyway
セットリスト
『Black Devil』
『Conflict』
『Symbiosis』
『Scene』
『Cold City』
SNS
AiDER
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シル(@silu_aider)
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葵(@aoi_aider)
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