毎年恒例、PENICILLINのドラマーO-JIROの誕生日時期に行われる、ワンマン公演「とのさまGIG」。今やメンバーの誕生日を祝う「生誕祭」は、どのバンドも恒例行事として行っているが、ヴィジュアル系界隈で「生誕祭」を最初に始めたのがPENICILLINであり、O-JIROの誕生日を祝う「とのさまGIG」だった。
「とのさまGIG」の連続開催も、今年で24回目。例年、ファンたちと一緒にO-JIROの誕生日を祝ってきたが、今年はコロナ禍の影響から無観客生ライブ配信という形で9月13日(日)に行った。嬉しかったのが、「ライブ」と「バースデーセレモニー」と題したトークコーナーの2部構成で届けてくれたこと。トークに長けたメンバーたちでもあるように、ライブのみならず会話でも楽しませてくれた。ここからは、当日のライブの模様をお伝えしたい。
千聖のギターが唸りを上げるのを合図に、ライブは「Too young to die!」から幕を開けた。HAKUEIは、スタンドマイクをギュッと握り、画面の先の人たちを挑発してゆく。モニターに足を乗せ、前のめりの姿勢で演奏する千聖。視聴者たちを煽るメンバーたちを、O-JIROはいつものよう的確にビートを叩きながら、しっかり後押ししていた。カメラ目線を意識したステージングを見せる千聖とO-JIRO。HAKUEIは、舞台にどっしりと構え、雄々しい姿を示してゆく。
O-JIROのドラムが強烈なビートを叩き出すと同時に、楽曲は「REALXXX」へ。激しいビートを繰り出すO-JIROの演奏に、気持ちが熱く煽られる。荒ぶる演奏の上でも、悠然とした姿を見せるHAKUEI。千聖は、挑発するように舌を出しギターを弾く場面も。「もっと強く もっと深く 君の中で愛し合えば」と歌いながら、HAKUEIは感情のボリュームを巧みに調整、攻める姿勢と切なさを抱いた表情の両面を示していった。続く「聖・MARIAN HURRICANE」では、心を解き放つ開放的な姿を提示。輝きをまとった演奏や、イケイケな姿勢で声を響かせるHAKUEIの歌に触れているうちに、何時しか両手を大きく広げ、歌の風を感じながら脳裏に広がった大空を彼らと一緒に羽ばたいていた。
披露したのが「C-section」。気持ちの内側から沸き立つ熱をジワジワと膨らませ、サビで一気に炸裂。揺れ動く心模様を、彼らは緩急起伏の効いた演奏や感情の振幅豊かな歌声を通して見せてきた。しなるO-JIROのビートがドラマを描く絵筆となり、楽曲に起伏を描き出していたのも、耳を惹きつけた。
タイトなO-JIROのドラム演奏、そこに千聖のギターが音を重ねるのに合わせ、楽曲は「心」へ。O-JIROのしなやかなビートに合わせ、気持ちが次第に沸き立つ。華やかなのに温かさを覚える楽曲だ。身近な、でも大切な人への心情をスケール大きな言葉として綴った歌詞が心にじんわり染みてゆく。優しく気持ちと身体を満たす楽曲に触れていたら、何時しか身体も心地好く揺れていた。
1曲1曲表情を変えながら、PENICILLINは見ている人たちの脳裏にさまざまな心象風景を映し出す。千聖のギターソロをブリッジに、楽曲は「冷たい風」へ。タイトル通り、冷たい風を身に覚える楽曲だ。何時までも消せない愛しい人のことを慕うように歌うHAKUEIの切々とした声に触れていると、同じよう痛みを覚えずにいれなかった。胸張り裂けんばかりの哀切な想いで歌うHAKUEIの声に、想いを寄り添え、同じ痛い気持ちに浸っていたかった。
次に披露したのが、「とのさまGIG」ではお馴染みの「吸血鬼」。華麗に舞うように千聖のギターの旋律が踊れば、彼の演奏を、O-JIROとChiyuによるリズム隊が軽快に沸き立てる。HAKUEIの歌声にも、気持ちを解き放つような解放感と温かさが満ちていた。触れた人たちを絢爛豪華な社交場へと導き、ともに寄り添いステップを踏みながら、HAKUEIは観ている人たちの心の首筋へ優しく噛みついてきた。その刺激に解放感と心地好さを覚え、何時しかとろける気持ちに。
O-JIROのドラム演奏をブリッジに、楽曲は妖艶な色を塗り重ねるよう「クーデタークラブ」へ。妖しく挑発するように歌うHAKUEI。艶めきながらも迫力を持った彼の歌声へ、3人の演奏陣が危険な香りを塗り重ねてゆく。フロアに下りたHAKUEIがカメラの眼前にせまり、投げKISSをする場面も登場。画面越しに誘い、煽るHAKUEIと千聖。とくに、この日の千聖はカメラ目線を意識した動きを多く見せていたように、オンラインライブだからこその楽しませ方を強く心がけていた。楽曲は「SAMURAI BOY」へ。ふたたび荒ぶる心のスイッチを入れたメンバーたちは、熱狂を巻き起こすように攻めた姿を見せてゆく。熱情したギターソロを奏でる千聖。挑発するHAKUEIの歌声も胸を熱く騒がせれば、その声へ身を寄せ、抱かれたい気持ちにもしてゆく。O-JIROの荒ぶる一打一打に触発され、身体の疼きが止まらない。
本日のセットリストはO-JIROが作ったことを、HAKUEIが紹介。この日は、O-JIRO作曲ナンバーが中心。続いて披露したのが、O-JIROが作曲をした中、初めてシングルになった「99番目の夜」だ。HAKUEIの「飛べ!!」の声を合図に、楽曲が勢いを持って跳ねだした。相手の心を射抜くように歌うHAKUEI。涙を誘うサビのメロウな歌に触れるたび、胸がギュッと揺さぶられる。この甘酸っぱい感覚がたまらない。「99th night」と挑発するように声を重ねる千聖。フロント陣をけしかけるO-JIROのドラム。めくるめく激しくも官能的な世界に心が溺れそうだ。
もっともっと暴れろと言わんばかりに、熱情した激歌ナンバー「イナズマ」を突きつけ、PENICILLINはカメラの先にいる人たちを熱く煽りだす。身体を大きく逸らし声を張り上げるHAKUEI。千聖のギターも感情昂るフレーズを次々繰り出していた。素直に暴れ狂えるのも、O-JIROの攻めながらも安定したビートが支えているからだ。大サビ前へ入る一瞬のブレイクのときに、HAKUEIがさりげなく投げKISSしていた姿も、悲鳴をあげたくなるセクシーで恰好いい姿だった。
画面の先で見ている一人一人ともっと熱く戯れ、一緒に絶頂を迎えようと、PENICILLINが最後にぶつけたのが「SEX」。HAKUEIが、千聖が、カメラの先にいる人たちを熱く挑発する。心を野生に戻し、絶叫にも似た声を張り上げ、煽るHAKUEI。ふたたび彼はフロアへ降り、カメラの目の前でデンジャラスな言葉を叫んでいた。気持ち騒ぐままに挑発し続ける刺激的なステージング。熱く昂るその姿こそ、PENICILLINらしいじゃない。
第二部は、O-JIROの誕生日を祝おうと「バースデーセレモニー」と題したトークコーナーへ。「HAPPY BIRTHDAY」の歌に導かれ、サポートベーシストのChiyuを含め、4人が舞台へ。恒例のバースデーケーキのセレモニーに続き、メンバーらの気ままなトークへ。
大きなケーキを手にした千聖が、「このケーキ、景気がいいねぇ」とギャグを飛ばす。O-JIROは、「みんなも、僕らもがっつり盛り上がれるセットリストにしたいなと思ったように、今日は弾けられて楽しかったです」と、この日の選曲の理由やライブの感想について語っていた。
最後に、PENICILLINの最新情報として、千聖の誕生日である10月4日に、彼の生誕祭「ROCK×ROCK」を生ライブ配信で行うのが決定したことを伝えてくれた。千聖は、生誕祭当日について、「俺専用のカメラがずっとここ(目の前)にある」と発言。その言葉を聴き、すかさずO-JIROが「サーバーまでうっとりしちゃうかも」と突っ込んでいたところはさすがだ。来月の生ライブ配信(アーカイブ放送も有り)も楽しみになってきた!!
PHOTO:コザイリサ
TEXT:長澤智典
PENICILLIN O-JIRO BIRTHDAY LIVE「とのさまGIG 2020」〜Tonosama GIG〜 September 13, 2020
PENICILLIN ONEMAN LIVE「祭り -MATSURI-」 August 23, 2020
★インフォメーション★
PENICILLIN 千聖 BIRTHDAY LIVE 「ROCK×ROCK 2020」開催決定!
【タイトル】PENICILLIN 千聖 BIRTHDAY LIVE 「ROCK×ROCK 2020」
【公演日】10/04(日)
【START】19:00 ライブ配信スタート予定(18:30からChat機能開始)
【アーカイブ視聴期間】10/5(月) 23:59まで
【チケット】9月27日(日) 12:00〜10月5日(月)21:00
【料金】¥5,000(税込) ※スペシャル・バースデーデジタルフォトカードを全員にプレゼント
【プレイガイド】https://eplus.jp/st/penicillin1004/
【備考】
・視聴券購入者全員にライブ当日撮影した"スペシャル・バースデーデジタルフォトカード"を10月10日(土)頃よりダウンロード
※Streaming+とは?
https://eplus.jp/streamingplus-userguide/
[問]サイレンエンタープライズ 03-3447-8822
サポートBass:Chiyu (https://amagasaki-rockstar.com/)
「とのさまGIG2020」グッズ、絶賛発売中!!まもなく締め切り!
■販売期間
9/13(日) 12:00〜9/27(日) 23:59まで
■発送予定
2020年11月中旬
DDJ公式通販サイト>
https://ddj.official.ec
PENICILLIN 公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCwZb-Yju0wx1ptQi_Clhxlw
(「#お家で千聖」、絶賛更新中)
「居酒屋はくえい」
https://ch.nicovideo.jp/club-Zy/live
PENICILLIN Web
https://www.penicillin.jp/
PENICILLIN twitter
https://twitter.com/PENICILLIN_info
―セットリスト―
「Too young to die!」
「REALXXX」
「聖・MARIAN HURRICANE 」
「C-section」
「心」
「冷たい風」
「吸血鬼」
「クーデタークラブ」
「SAMURAI BOY」
「99番目の夜」
「イナズマ」
「SEX」
-ENCORE-
「BDセレモニー~トークコーナー」