時代変わったと言ってしまうのは、簡単だ。かつて、この(ヴィジュアル系)シーンでは、結成から3年目にどの位置に立っているかが今後を示唆すると言われていた。自分たちの器以上の会場を設定し、派手な戦略を仕掛け、話題性だけを隠れ蓑に、短期間で次々とキャパシティを上げてゆく、その成功を耳にし、勢いに乗り遅れまいとファンたちも流行りに便乗してゆく。でも、筐体だけが大きくなり、中身が伴わないバンドたちが増え、いつしか倍々ゲームを行う手法は主流から外れていった。
ナナが復活したのは、何時頃だったろうか。メンバー自身が、他に母体となるバンド活動や、様々な個々の動きもあったことから、復活以降の彼らは、短距離走を競い合う人たちを横目に、ゆったりとした歩みを形作ってきた。動きが限定的になるというマイナス面を、ナナは逆にプラスの魅力に変え、ライブにおいても、音源制作の面でも、"量"や"話題性"ではなく、徹底して"質"にこだわり続けてきた。結果、ナナは大きな飛躍はない変わりに、確実な支持層をつかみ、揺るがない自分たちの土壌を作りあげ、その土壌を、今も豊かに耕し続けている。むしろ最近のナナは、活動の速度をこれまで以上に上げている。理由は簡単だ。今、羽ばたくことが、バンドの熱量を良い形で上げてゆくことをメンバー自身が知っているからだ。
ナナが配信リリースした最新ナンバー『great man』の中、彼らは「羽ばたきもせずに見えるわけないさ」と歌っている。『great man』、触れたとたんに、胸を熱く騒がせ、行動せずにいれない気持ちにしてゆく楽曲だ。
彼らは知っている。"待つ時期"と"攻める時期"があることを。今、何度目かの成熟期を迎えているからこそ、ナナはさらなる地平へと跳躍してゆくために、『great man』という胸踊らせる楽曲を、閉塞感の強い今の時代へ突きつけた。
「エモい」と言ってしまえば、いいだろうか。とにかくエモいんだよ。パッションに満ちた『great man』、歌詞の一節ではないが、まさに「心奪う歌」だ。
ナナは『great man』を手に、8月と12月に2本のワンマン公演を行う。日程は、以下のように発表になっている。
8月6日(日) 寺田町 fireloop 12月14日(木) 渋谷REX
なぜ、期間が空いているのか。そこに、どんな意味が隠されているのか。気になるだろう。その理由は、彼らのライブへ「触れもせずにわかるわけがないさ」。気になるのなら、まずは行動に移そうか。何事も、そう。心が動いた先に、その人が動いた理由の真実が待っているのだから。
まずは、『great man』に触れてくれ。そこで、気持ちが揺れたなら、次のアクションは、わかっているだろ。君のハートを動かすワードは、これだ。
「羽ばたきもせずに見えるわけないさ 未来への扉 明日はどっちだ?探せboy」
TEXT:長澤智典
『great man』配信情報
https://linkco.re/XGYEpATD
「ライブスケジュール」
■ワンマン
8月6日(日) 寺田町 fireloop
12月14日(木) 渋谷REX
■イベント
7月31日(月)池袋EDGE
ナナ×SHIVA presents
東名阪4MAN LIVE『暴凶星軍』
9月2日(土) 名古屋ell.SIZE
9月3日(土)心斎橋VARON
9月10日(日)新宿SAMURAI
SNS
山沖 怜
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SARSHI
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