『moirai』『Distopia』『私を天国へ連れてって』と3ヶ月連続でシングルを発売。アイドルシーンへゴシック&ダークスタイル/美と退廃の浪漫という新たな刺激と衝撃を与えているAphrodite。彼女たちが、3ヶ月連続シングル第一弾作『moiral』の発売を記念し、2月16日(金)にTSUTAYA O-WESTを舞台に「Aphrodite女神たちの逆襲の宴〜Contre-attaque〜」を行った。この日は、リリース記念と同時に、新メンバー真乃想の初お披露目ライブとしても行われた。
幕が開くと同時に、そこへは光に照らされシルエット姿となった4人の女神たちの姿が…。この日より、真乃想を加えた4人編成になったAphrodite。まさか、いきなり新編成で登場するとは…。
物語の冒頭を飾ったのは、1stシングル『moirai』のC/Wへ収録した『EDEN』。タイトルとは裏腹な、エッジ鋭くダークで激しいAphrodite流ゴシック&ロックンロールナンバーだ。4人は、身体をつんざく猛々しい音を背景に、華麗に。でも挑発的な踊りも交え、観客たちをけしかけてゆく。演奏の間に間に描き出される壮麗な表情へ一瞬の穏やかさを感じながらも、彼女たちは終始、昂る感情的な歌声を一つに、観客たちを黒い世界へ誘っていた。
3人編成に戻ったAphroditeは、歪んだ音を掻き鳴らすギターと澄み渡る美しい音色が交錯するゴシック耽美ロマネスクな『Utopia』を届けてきた。美しく舞い踊るメンバーたち。3人の、一つに重なりあい流麗に広がる歌声には、何処か刹那や嘆いた心の唸りも滲み出ている。その秘めた切なさが、チクチクと痛心地好く胸を射す。
そこは、破壊と惨劇に満ちた壊れた世界??。それとも、心の闇へ想いを浸し、抜け出せぬ黒い世界へ身を浸す人たちのユートピア!?。激しく唸りを上げ、奈落の園へ幻想的なドラマを描きだす、2月28日発表となる第二弾シングルの『Distopia』が飛びだした。荒廃した世界へ身を落とし、嘆くように歌う3人の黒い女神たち。何時しか僕らは3人に導かれ、Aphroditeの作り出す奈落と闇の物語へ導かれ墜ちていた。彼女たちは闇の支配者の使い魔??。それとも、絶望の世界で嘆くことで闇に光を灯す救世主たち??。
ふたたび呼ぶ声が聞こえる。3人は感情の奥底から沸きだす痛み携えた歌声を、ゆっくりと身体を揺らし場内へ響かせてゆく。闇に支配された世界の中、Aphroditeは『Re-Call』を唱えるように歌いながら、墜ちてきた人たちへ熱い手を伸ばしてきた。その手をつかめば、僕らはどんな世界を見れるのだろうか。凛々しく、力強く、でもその歌声には、心を突き刺す悲しみも湛えられていた。
ヒステリックでエキセントリックなギターの旋律が、騒ぎ狂えと、観客たちを闇夜の踊りへ誘い出した。もちろん僕らのパートナーは、闇夜の中、麗しく華麗に舞い歌う3人の黒い女神たちだ。『My Sweet Bach』へ身を預け、今は心地好く宴に酔いしれようではないか。とても危険な歌の香りが、理性を掻き乱す。もっともっと狂えとばかりに美しくも幻惑的な、でも激しさを抱えた狂奏曲をAphroditeは届けてきた。
身体をつんざくノイズギターが炸裂。重厚な音の調べが、観客たちを新たな黒い世界へ連れだした。低音を活かした歌声を魅力に、朗々と歌う3人。『セラフィムの夜』が連れだしたのは、怪しく妖しい闇夜の世界。サビや終盤では突き抜けた表情も見せるとはいえ、3人は終始雄々しい歌声をはべらせ、観客たちを熱を抱いた黒い渦の奥へ奥へと呑み込み続けていた。
黒い轟音を羽ばたかせ『GENESIS』が飛び立った。ダイナミックな動きとともに、舞台上を熱く激しく舞い踊る3人。彼女たちが身体を震わせ湧き起こした歌声の、なんて雄々しくも凛々しかったことか。彼女たちが求める歌声には熱々とした力が漲っていた。熱したマグマのような情熱的な歌声に触発され、絶叫を上げ騒ぐ観客たち。終盤に生まれた掛け合いを通し作りあげた一体化した熱狂が、たまらなく刺激的だ。
重厚な音へさらに黒く重い音を押し重ねるように、Aphroditeは『ユダの接吻』を突き付けた 重厚な興狂曲を身にまとい、可愛い仕種交じりに華麗に、激しく舞い踊る3人。ノイジックな激圧音さえも見込み、華麗に踊り続ける様が、なんて輝いていたことか。
流れだしたのが、第一弾シングルナンバー『moirai』だ。これまでの黒い狂気な世界とは裏腹に、麗しく繊細な音の滴を、彼女たちは触れた人たちの身体中へ降り注いでゆく。楽曲が進むにつれ激しい音のベールが折り重なる。3人は、螺子の外れた演奏の上で、壊れかけた人形のよう、気持ち湧きだすままに情熱的な歌をぶつけていた。激しさと華やかさが、麗しさと壊れそうな美しさが楽曲の中で錯綜してゆく。渦巻く音の中で舞い歌う3人の姿と歌声へ、ずっと熱を覚えながら僕らは浸っていたかった。
物語も終盤へ。悲愴を携えた嘆きの調べが響き渡る。が、轟く音の雷鳴を合図に、楽曲はふたたび黒く轟く音の雨を降らせだした。痛い衝動を身に感じながら、3人は雄々しい声を張り上げ、『ヨハネの福音』を通し心の痛みを解き放ってゆく。低音を魅力にした3人の熱い声の連なりが、触れた人たちの心をグッと握りしめていた。華麗な動きとは裏腹に、雄々しい歌声をはべらす彼女たち。3人の歌声は、僕らへどんな未来指し示す福音を与えてくれるのか…。
宴の最後を彩ったのは、ダークでユーロなゴシックダンスシンフォニックナンバーの『パリの灯りは遠く』だ。身体を刺激する黒いダンスビートの上で、天へ召されるように気高く美しく歌を響かせるAphroditeの3人。歌謡曲な匂いも浸した美しくメロディアスな歌が、胸を優しく抱きしめてゆく。そのまま3人と一緒に華麗に舞いながら天へと昇っていくように…。召された感情へ導かれるよう、メンバーが瞼に涙を浮かべながら歌を届けていた。
アンコール前に、5月12日に代官山SPACE ODDで新たなワンマン公演を行うことを発表。アンコールでは、新曲の『パルテノンを眺めて』を初披露。Aphroditeの描く黒い狂騒曲とは裏腹に、とても光をまとった明るく開放的な楽曲だ。軽快にステップを踏み、華麗に舞い踊る姿が、とても眩しく見えてきた。とはいえ、ギターの音色などへ70年代なロックの息吹を抱かせるところはAphroditeらしいスタイル。闇の中に強烈な光を求めたいとき、この歌が輝く存在を放ちそうだ。
"元気なメンヘラ"こと、新メンバーの真乃想をふたたび舞台へ呼び入れた。最後にAphroditeは、新たな体制のもと第三弾として発表予定のシングル『私を天国へ連れてって』を披露。シャインサイドの楽曲を届け、4人は笑顔ではしゃぐファンたちと一緒に輝く光の世界へとランデブー。闇の痛みを突き抜けた先に描きだした、チャーミングに弾けた白いポップワールド。Aphroditeは最後に会場中へ光のシャワーを降り注ぎ、ファンたちを輝きに満ちた熱狂の世界へと連れていった。
ゴシック/ダーク/ヘヴィ/刹那な表情を軸に据えながらも、定めた枠さえ凌駕した歌世界を提示してくれたAphrodite。まずは、3ヶ月連続シングルリリースの流れを持った物語へ浸っていただこうか。
TEXT:長澤智典
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★CD情報★
第一弾「moirai」
発売中。
1.moirai
2.EDEN
第二弾「Distopia」
2018年2月28日(水)全国発売!
第三弾「私を天国へ連れてって」
2018年3月28日(水)全国発売!
★LIVE情報★
2月21日(水)HMVエソラ池袋
2月22日(木)HMV record shop 渋谷
2月23日(金)タワーレコード川崎店
2月24日(土)ディスクユニオンdues新宿
2月26日(月)タワーレコード池袋店
2月27日(火)渋谷DESEO
3月1日(木)渋谷DESEO
3月2日(金)TwinBoxGarage
3月3日(土)代官山SPACE ODD
3月8日(木)渋谷clubasia
3月14日(水)渋谷O-NEST
3月15日(木)渋谷DESEO
3月21日(水)新宿Zirco Tokyo
3月22日(木)渋谷クラブクアトロ
3月25日(日)代官山SPACE ODD
セットリスト
『EDEN』
『Utopia』
『Distopia』
『Re-Call』
『My Sweet Bach』
『セラフィムの夜』
『GENESIS』
『ユダの接吻』
『moirai』
『ヨハネの福音』
『パリの灯りは遠く』
-ENCORE-
『パルテノンを眺めて』
『私を天国へ連れてって』