元The SketchbookのドラマーだったVo&Drの悠と、ポルノグラフィティなど数々のメジャーアーティストのライブサポートやレコーディング等を務めるKeyの藤井洋…「ボーカル&ドラム」×「キーボード」という編成のもと、MORATORIUMは2015年に産声を上げた。
これまでに『in your room, in my room』『THIS WORLD IS』と2枚のミニアルバムと、『星のジレンマ / 君にあいたいのは』『ゴースト人間』と2枚のシングル盤、さらに配信シングルとして『Jdugement/ステータス』『フライトピア』『Meaning』を発売中。他にも、『Truth』などの楽曲をMV(http://moratorium.jp/movie/)で観ることも出来る。
MORATORIUMの場合、その特異な編成に興味関心の目が注がれるが、一番注目したいのがクール/スタイリッシュ/爽快さなど、どんな楽曲の中にもスケールあふれるドラマ性やダイナミックでエネルギッシュな躍動性を抱いている点と、とても感情的な歌声という面。歌詞に於いても、その気持ちがポジティブだろうがネガティブであろうと、つねに人の感情の内側を鋭く抉るなり、心の慟哭にも似た想いを歌に乗せ彼らは届けてゆく。MORATORIUMの音楽へ触れた人たちが素直に共鳴するのも、「誰もが心に抱えているネガティブ/ポジティブな感情」を人生/恋愛など様々な視点から「あるある」なスタイルで記してゆくからだ。そんなMORATORIUMの音楽性について、悠が言葉を届けてくれた。少し長くなるが、以下へ記したい。
「僕も洋ちゃんも、大学時代に同じジャズ/フュージョンのサークルメンバーとして活動していたように、お互いテクニカルなインスト系の音楽ジャンルが好きだし。同時に、二人ともポップでキャッチーなJ-POPも大好きなんです。だからMORATORIUMとして表現するときも、ミュージシャンの視点としてテクニカルな面を見せるのと同時に、初見の人が聞いてもわかりやすく心に伝わるキャッチーな部分を大事にしたいと最初から心がけていました。
これは僕らの魅力にもしていることですが、二人の性格が本当に対照的。僕は、ネガティブな感情をバネにしてゆくタイプ。洋ちゃんは、思ったことを口にすれば行動にも移す積極的な人。一見デコボコな関係だけど、それが上手くパズルのように噛み合うからこそ友達としても仲良いし、互いにアーティストとしても尊敬しあえば、制作面でのコミュニケーションも取りやすいんです。
歌詞に関しては、僕自身がコンプレックスの塊であり、鬱憤を内に秘めてゆく性格。それを吐き出せる術が僕にとっての音楽であり、歌詞に想いをぶつけてゆくことなんです。僕は、ポジティブな想いを真っ直ぐに鼓舞するよりも、足りない感情だったり、言いたいけど言えない気持ち、本当は言いたいけどという葛藤など、心満たされてない想いや欠けている気持ちを音楽へ投影したいと思ってる。それに人って、何かが欠けているからこそ人間味が出てくるもの。そういう欠陥やコンプレックスなどを、僕はMORATORIUMの音楽として触れた人たちの心へ突き刺したいなと思っています。
僕らの発信する「人として持つ弱い感情」に少しでも「あっ、ここに仲間がいた」と共感してもらえたり、救いになってくれたら。そのうえで、「彼らはこうだから、自分も」でもいいし、「わたしはこう頑張ってみよう」など、最終的に心を前へ向けたり気持ちを浄化していけたらなと僕らは思っているし、それが、僕らがMORATORIUMとして活動している意味なんだと思います」
現在も、個々にサポート活動を行ないながらも、MORATORIUMとしても着実に土壌と支持を広げる活動を行っている。今年の夏には、「ROCK IN JAPAN FES. 2018」にも参加。他にも、いろんなイベントライブへ顔を出し続けている。
MORATORIUMは、今年4月に続き、10月21日(日)に代官山LOOPでワンマン公演「Around 30 Requiem~第ニ楽章~」を行う。折しも、悠も藤井洋も今年で30歳を迎える。4月にワンマン公演「Around 30 Requiem~第一楽章~」を行ったときは悠のバースデーも兼ねていたが、今回の「Around 30 Requiem~第ニ楽章~」は藤井洋の誕生日のお祝いも兼ねている。その内容についての悠の言葉も記そうか。
「30歳という節目の歳の始まりを迎えたことで、日々の過ごし方や物作りに対する観点が変わったなというのは僕自身すごく感じていること。それが、今回のワンマン公演の中でも、一つのテーマとして反映していきそうな気がしています。
じつは、そのワンマンへ向け、ちょうど今、新曲を制作しています。ワンマン公演の前にはその楽曲をMV付きでアップしようと思っているように、その楽曲へ触れることで、10月のワンマン公演を僕らがどんな気持ちで届けようとしてゆくかが伝わると思います。具体的な内容はこれからとはいえ、10月21日(日)に代官山LOOPで行う「Around 30 Requiem~第ニ楽章~」では音楽性や演奏面で原点回帰をしたうえで、いかにクオリティ高く演奏を突き詰められるかを求めてゆくつもりです」
つねに、今の感情を楽曲や演奏へ反映し続けてゆくMORATORIUM。30歳を迎えた2人の男たちがどんな人生模様や想いをぶつけ、伝えてゆくのか。きっとその歌たちは、触れた人たちの日常にも寄り添ってゆくはずだ。
日々の生活の中、少し心に潤いや温もり、寄り添いたい愛情を求めたくなったら、ぜひMORATORIUMのライブに足を運んで欲しい。そこには、あなたが探していた、少しだけ淀んだ心のオアシスが広がっているはずだ。むしろ、澄みきっていないからこそ、その歌が僕らの気持ちへ素直に染み込んでゆく。さぁ心の渇きを、少しの痛い刺激と一緒に潤さないか。
TEXT:長澤智典
MORATORIUM Web
http://moratorium.jp/
MORATORIUM twitter
https://twitter.com/moratoriumjapan
★LIVE情報★
ONEMAN LIVE 2018 “Around 30 Requiem 〜第二楽章〜”
公演日 2018年10月21日(日)
会場 代官山LOOP
開場 16:30
開演 17:00
料金(税込) 前売 \3,400/当日 \3,900(+各ドリンク別600円)
出演 MORATORIUM
お問い合わせ先 info@moratorium.jp まで
※チケット発売中
http://eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002262629P0030001